PPH法(吻合器を用いた痔核・脱肛根治術)の説明

PPH法とは

 PPH法は、器械吻合(吻合)器を用いた痔核・脱肛根治術のひとつです。今までの内痔核(イボ痔)を切って針糸で縫合するという手術(結紮切除術)とはまったく異なる手術法であり1993年にイタリアで開発され、日本では昨年から始まった新しい方法です。しかし、ヨーロッパでは優秀な成績が発表され、脱肛に対する手術法として確立されています。手術には、胃、腸をつなぐ自動吻合器と同じものを使います。肛門の内痔核のすぐ上の部分を筒状に切って脱出した痔核を肛門の中に引き込むとともに、痔核の原因となる血管を切除します。その結果、痔核や脱肛が縮小して治っていくわけです。しかも、肛門の敏感な部分を直接切らないので手術後の痛みが軽く。肛門の機能を障害しないという利点があります。

麻酔は仙骨麻酔か腰椎麻酔、手術時間は15〜20分、麻酔時間を含めても30分程度で終わります。

PPH法の特徴
 

1.手術後の痛みが少ない

2.回復が早い(入院期間が短い)

3.肛門の機能を障害しない。

手術後の経過
 手術当日は軽い痛みや、麻酔による排尿障害、出血の危険性などがあるために安静にしていただきます。入院期間は、痔の程度や傷の治り具合で違いますが3〜7日間の予定です。最初の1週間は腫れたり、出血したり軽い痛みが続くことがありますが、歩行、食事、排便、入浴などは可能です。仕事、運動、旅行、飲酒などは、手術から1週間過ぎてからにしてください(暴飲暴食はやめてください)

痔核や脱肛は手術して2週間くらいの間に少しずつ良くなってきます。(最初ははれてもしぼんできます)金属のスティブルは1ヶ月過ぎてから自然にはずれて便といっしょに出てしまいます。現在まで再発はほとんど無いといわれています、20年、30年たったときどうなるのか?はまだはっきりしていません。

PPH法が出来ない場合
 痔核が肛門外へ脱出し締め付けられて、内外痔核の中の血管に多数の血液の塊ができたもので、腫れと痛みがひどい。

PPH法は内痔核、脱肛や直腸粘膜脱に対する手術です。以下のようなときにはPPH法ができない場合があります。

1.外痔核、スキンタグ、肛門ポリープなど肛門の外に出来ているものは直接切り取らないと治りません。

2.痔ろう、膿瘍、裂肛がある場合はこれらの手術を優先します。

3.直腸脱

4.肛門が狭くてPPHの器械が入らない場合。

5.内痔核が小さすぎるとき。このときはもっと簡単な手術にします。


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