大腸・肛門の病気 Q&A
【にほうジャーナル 平成17年5月1日号】
宗村院長プロフィール
大分医科大(現大分大医学部)、北海道大学大学院腫瘍外科卒業。JA北海道厚生連総合病院外科部長及び救命救急センター、白石肛門科胃腸科病院大腸肛門科、札幌医科大第一内科消化器グループ、大腸肛門病センター日高病院、大腸肛門病センター高野病院などを経て、平成十四年十月に市内古国府、古国府羽屋バイパス沿いに、妻の宗村由紀副院長と共に「むねむら大腸肛門科」を開業。医学博士。著者は「専門のお医者さんが語るQ&A大腸の病気」(保健同人社)、「痔を治す大全科」(法研社)など。連絡は電話547・1115(代表)、電話547・1112(女性専用)へ。
Q 痔核(いぼ痔)の種類と程度と診断法について教えてください。
痔核は内痔核と外痔核に大きく分類されますが、痔核血管の発達のすくない粘膜脱と分類できるものもあります。程度は脱出程度によって、I度、II度、III度、IV度と分類します。これは治療方針を決めるのに大まかな目安になり得ます。診断法の第一は、指診と荒川式肛門鏡(これが正確です)を用いた診察、第二は直腸モニターを使った観察です。

Q PPHについて教えてください。
全周にあるIII度の内痔核、または直腸粘膜脱が適応とされている特殊な器械を用いて行う方法です。これは一泊二日の入院が必要になります。

Q 根治手術法ついて教えてください。
半閉鎖式結紮切除法を原則としています。現在の痔核の標準手術は未だに開放術式ですが、術後の肛門の機能や美しさを考えると半閉鎖式に勝るものはないと考えられます。

Q 「肛門周囲膿瘍」と診断されて切開を受けたことがありますが、未だに時々、うみのようなものがでます。「痔瘻」と思いますが治りますか?
完全に治すことが可能です。しかも昔のように『括約筋(肛門の筋肉)を切ることなく』治癒させることができます。検査として筋肉や痔瘻や膿瘍の状態を観察することができる肛門用超音波検査装置が必須で、手術前にこれで確認します。

Q 「裂肛」(切れ痔)の治療法はどんなものがありますか?
基本的に「薬物療法」で、切れ痔をきたすような硬い便と肛門部を適切な薬で改善させることです。肛門が狭くなっている慢性裂肛は、特殊な器械を用いて検査し原因をつきとめ、内括約筋側方切開術(LSIS)または、皮膚弁移動術をしています。

Q 脱腸(鼠径ヘルニア)の治療法は?
手術療法が唯一の治療法で、術後の痛みやツッパリの少ない人工のクーゲル法を第一選択として施行しています。一泊二日の入院が必要です。

Q 健康診断で便潜血陽性と言われましたが、その場合の精密検査方法は?
「大腸内視鏡検査」が最も有用で効率的と思います。基本的に外来検査で、ポリープなどがあれば検査と「同時に切除」していますので、繰り返し検査する必要もありません。ほとんど(およそ九五%)がそのまま帰宅できますが、大きなポリープを切除した場合や自宅が遠い場合などは基本的に一泊入院していただいています。

Q 胃と大腸を同時に検査することは可能ですか?
胃と大腸の症状が同時にあれば、麻酔をかけていっきに検査してしまいます。

Q ポリープは放っておくと本当にがんになるのですか?
すべてのポリープががんになるわけではありません。がんになるポリープのほとんどは腺腫性ポリープといって、大腸がんの約八〇%はこの腺腫から発生することがわかっています。この腺腫は、小さいうちに切除するというのが大腸がんの予防になりうるということです。

Q 院長先生、副院長先生のお二人はご夫婦そろって大腸肛門病センター高野病院のご出身ですが、どのような診療をやってきたのですか?
基本的に二人とも同じです。大腸肛門科としては、大腸肛門病に関する手術、すなわち大腸がんの手術や肛門疾患の手術、胃や大腸内視鏡検査などを中心にやってきました。