にほうジャーナル 2007年9月1日掲載 Q&A

にほうジャーナルで行った『注射で治す痔の治療とは?』のQ&Aです。これにより皆さんの理解が深まることができれば幸いです。

【にほうジャーナル 9月1日掲載「注射で治す痔の治療とは?」Q&A】
Q.新しい治療法、痔核硬化療法(四段階注射法)とはなんですか?
ジオン注による「脱出を伴う内痔核」にジオン注を投与して、痔に流れ込む血液の量を減らし、痔を硬くして粘膜に癒着・固定させる治療法です。
痔核を切り取る手術と違って、痔核の痛みを感じない部分に注射するので、「傷口から出血する」「傷口が痛む」というようなことはなく、入院期間の短縮も期待できます。通常の入院手術に比べて経済的なメリットも大きいです。また、20ml以下の投与では、外来治療も可能です。20ml以上の使用では、入院が推奨されています。

Q.ジオン注とはどんな薬でしょうか?
ジオン注の有効成分は「硫酸アルミニウムカリウム」と「タンニン酸」というものです。
・硫酸アルミニウムカリウム…出血症状や脱水症状を改善する。
・タンニン酸…硫酸アルミニウムカリウムの働きを調整する。
という効果があります。

Q.どのようにジオン注を投与するのでしょうか?
ジオン注を投与する前に、肛門周囲への麻酔か、下半身だけに効く麻酔を行い、肛門周囲の筋肉を緩め注射しやすくします。
ジオン注はひとつの痔核に対して四か所に分割して投与します。これは痔核に薬液を十分に浸透させるための方法で四段階注射法といいます。
複数の痔核がある場合には、それぞれに投与します。投与後しばらく点滴を続け、麻酔の影響がなくなるまで安静にする必要があります。

Q.ジオン注を投与するとどうなるのでしょうか?
投与後の早い時期に痔核へ流れ込み、血液の量が減り出血が止まります。また脱出の程度も軽くなります。投与した部分が次第に小さくなり、引き伸ばされていた支持組織が元の位置に癒着・固定して脱出がみられなくなります。(一週間〜一ヶ月)

Q.効果のほどはいかがですか?
昨年から開始して、約77人ほどの投与人数がありますが、ほとんど副作用も経験なく、効果は極めて良好です。また、ジオンが発売されていま、やっとやりはじめて一年を超えた所で長期の成績は出ておりません。ただ、外痔核が大きい人や他の病変がある場合、嵌頓痔核のような血栓(地のかたまり)を伴うものには不可能ですので、すべての痔核に可能というわけではありません。

Q.平成18年11月に開催された第31回大腸肛門病学会九州地方会でのひとつのテーマ「痔核の治療法」のパネルディスカッションで、パネラー7人のうちの1人に選ばれたそうですが、どうでしたか?
北九州の坂田肛門科、熊本の高野病院、久留米の日高大腸肛門クリニック、くるめ病院、鹿児島の鮫島病院、大分からは当むねむら大腸肛門クリニックの私宗村などが痔核の治療法、特にジオン注などを中心に活発な議論がなされました。




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