大腸肛門疾患Q&A
読売新聞 2002年 12月15日
読売新聞医療シリーズ-1

読売新聞に掲載中の大腸肛門疾患についてQ&Aです。これにより皆さんの理解が深まることができれば幸いです。

Q.健康診断で便潜血陽性のため精密検査が必要といわれたのですが、大腸がんということでしょうか?

大腸がんと診断されたわけではありません。便潜血検査とは便の中の目に見えない出血の有無を調べる検査のことです。陽性の人の約3%にがんが発見されます。逆に進行がんの人の約80%、早期がんの約50%が陽性になります。
 ちなみに、”痔持ちの人”の場合の陽性率は5%、”痔主”でない人は4%とほとんど差がありません。痔があるからといって、がんがないわけではなく放置してはいけません。従って便潜血検査で陽性と判定された方は大腸肛門の精密検査が必要です。大腸がんの早期発見・早期治療のためにも、目に見える出血を起こす以前にこれを発見しなければなりません。
 ところで便潜血検査でみのがす率(偽陰性率)は早期大腸がんで50%、進行がんで20%と決して少ない数字とはいえませんので、便潜血検査は万能ではありません。

Q.ポリープはほおっておくと本当にがんになるのですか?

 我々の切除した18,000個のポリープを詳細に調べてみると

がん化率が

5mm以下で0.5%、
10mm以上で15%、
20mm以上で60%以上でした。

従って、小さいうちに切除するというのが大腸がんの予防になりうるということです。

Q.痔核の痛くない治療法ってありますか?

薬物療法はその最たるものです。しかし、それだけでは治らないものもたくさんあります。当院でよく施行しているものと言えば、内痔核からの出血には痔核硬化療法、脱出するものには結紫療法、全体に脱出するものはPPHといって器械で吊り上げる方法を行っています。
 しかし、これらの治療法はあくまで適応が限られます。以上で治りきらないと診断されればきちんとした手術が最も有効なのはいうまでもありませんが、患者様本人が納得した治療をうけるべきだと思います。

Q.日帰りもしくは短期間の入院による治療法ってどんなものがありますか?

以上述べたものは、ほとんど外来で行っています。ただし、PPHだけは2〜3日の入院が必要です。昨年の日本大腸肛門学会でも発表させていただいたのですが、やはり日帰り処理はあまりに危険だというのが専門家の共通した意見で、我々もそのように考えています。

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