胃がん
胃ガンは90%以上が腺癌で、胃壁の浸潤の程度で早期胃がんと原因はHP感染による慢性胃炎が原因といわれています。早期がんの状態なら、手術による治療率は90%を超えます。
症状
進行状態による分類
- 早期胃がん
ステージⅠA、ステージⅠBは早期の胃がんに分類され、ステージⅠBは ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)・EMR(内視鏡的粘膜切除術) で完治します。
- 進行性胃がん
定型手術と進行度により抗がん剤治療(化学療法)が必要になります。
病期(ステージ)
病期とはがんの進行の程度を示す言葉で、胃がんはI期、II期、III期、IV期に分類されます。
胃がん治療は、臨床病期(予想進行度)によって、大きく分けて3通り(内視鏡、手術、抗がん剤)の方法があります。
・T1:胃がんが粘膜、粘膜下組織にとどまっている
・T2:胃がんが筋層(きんそう)にとどまっている
・T3:胃がんが漿膜(しょうまく)下組織までにとどまっている
・T4:胃がんがほかの内臓や組織に広がっている
・T4a:胃がんが胃の表面に露出している
・T4b:胃がんが他の臓器に直接浸潤(しんじゅん)している
胃がんの臨床病期(ステージ)分類
検査方法
- 上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)
胃の中を内視鏡で直接観察し、病理検査を行う。病理検査とは内視鏡検査で採取した組織に、がん細胞があるのか、あるとすればどのような種類のがん細胞か、などについて顕微鏡を使って調べることをいいます。
- 胸・胸部CT検査
X線を使って体の内部を輪切りのように書き出し、撮影する検査です。胃がんの深さ(壁深達度)・範囲や周りの臓器への浸潤(しんじゅん)の有無を調べます。また、肺。肝臓などの他臓器転移、リンパ節・腹膜転移がないかを確認します。CT検査ではヨード造影剤を用います。
- 腹部・超音波検査
他の検査と比べて、侵襲(しんしゅう)が低い検査です。胃がんの範囲、特に胃の周りの臓器への浸潤の有無や他臓器(肝臓など)への転移の有無、胃がん以外の病気の発見(胆のう結石など)をCT検査とあわせて行います。
- 下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)
大腸疾患を合併していないか調べる検査です。
- PET検査
放射性ブドウ糖液を注入し、糖代謝が活発ながん細胞に取り込まれる分布を撮影することで全身のがん細胞を検出する検査です。ほかの検査で転移・再発が確定できない場合に行うことがあります。
- その他
その他、全身麻酔下の手術を前提にした検査として血液(腫瘍マーカー)・尿検査、胸腹部レントゲン検査、心電図・呼吸機能検査を行います。症状・進行度や併存疾患に応じてこれらの検査結果をみたうえで、さらに追加検査が必要になる場合があります。
治療方針
病変が小さなものでは内視鏡切除が行われ、この方法は治療時間も少なく、また出血や合併症状が少ないよい方法といえる。しかし、病変が少し大きくなると内視鏡粘膜下層剥離術(ESD治療)を行う。内視鏡治療ですめば、患者さんの体への負担が軽減される。